植物標本館コレクション

植物標本館コレクション

キューの標本館には、800万を超える植物と菌類の標本があり、世界中の研究者のための科学的財産となっています。

毎年、世界中から何千人もの研究者が、最近行われた大規模な改築で広くなったキューの植物標本館(植物標本のコレクション)を訪れます。1853年に開設されたキューの植物標本館には、世界中の植物属のほぼ98%を網羅する800万点を超える標本を保存しています。いくつかの標本は、ジョセフ・バンクス卿とキャプテン・クックの植物採集のための航海にまで遡ります。

標本館で作業中の植物学者

標本館で作業中の植物学者

海外の植物学者、探検隊、寄贈、国内および海外の他の研究機関との標本交換などにより、新たな標本が年間約35,000点追加されており、コレクションは、現在も増え続けています。標本館で標本を精査すると、これまで知られていなかった植物であることが判明することがあり、そのような場合はやがて新種として命名、記載されます。他の標本は、詳細な科学的研究のために不可欠な研究材料となります。また、標本館には、実験や環境調査で使用した種を比較できる唯一の実存する記録である証拠標本も数多く保管されています。

キューの標本館は、世界中の植物学者や菌学者を結ぶ情報ネットワークの中心です。毎週平均50名の訪問者がこの標本館を訪れ、その1/4は英国外の研究者です。キューでは、標本を国外の大学や専門機関へ貸し出すことにより、リソースを共有する努力をしています。

最近開始したデジタル化プログラムを通して、植物のコレクションへ多くの人々がアクセスできるように積極的に取り組んでいます。標本館の標本のうちの約50万点については優先して作業を進めており、現在のところ、約18万点の高解像度画像がウェブ上で利用できるようになっています。

標本館の標本の例

標本館の標本の例

保存標本

標本館の標本は、植物を乾燥させてプレスし、保管記録用の高品質紙に貼り付け、出所、採集者、番号、および種名を記したラベルを付けたものです。現地における用途などの追加情報もしばしば添えられます。

標本館では、標本は、科、地域、属、種で分けて分類学的に収納庫に配置しており、特定の種の標本を直ちに見つけることができます。それはいうなれば、単一の施設内におよそ38万種の維管束植物の標本を収蔵した世界中の植物の索引箱のようなものですが、標本シートは進化の関連性を反映させて配置されているのです。

基準標本

標本館は、35万点を超える基準標本を収蔵していますが、これらは記載されたときにその定義のもととなった標本です。いくつかの基準標本は、18世紀にまで遡るもので、植物と真菌の分類学や体系学の研究者にとって非常に貴重です。これらは、分類学者が、植物や菌類を正しく同定する基礎であって、最も重要で掛け替えのない国際的な財産です。

ティエラ・デル・フエゴでチャールズ・ダーウィンが採集したキューの真菌コレクションの標本の1つ

ティエラ・デル・フエゴでチャールズ・ダーウィンが採集したキューの真菌コレクションの標本の1つ

液浸保存コレクション

アルコール保存コレクションには、ガラスビンに入れた液体中に保存した7万点を超える標本があります。コレクションとしては1930年に開始され、範囲は371科に及びます。大半の標本材料は、乾燥とプレスでは標本にすることが困難な花と果実です。このコレクションは、標本館スタッフ、植物画家、および訪問中の分類学者によって利用されています。

真菌コレクション

1879年に開設されたキューの菌学(真菌)標本館は、菌類(および菌類に類似した生物を含む)を収集した世界最古かつ最大で最も重要な参照標本です。キューでは125万点を越える菌類を収蔵しています。南極から熱帯まで地球上のあらゆる地域から集めた真菌が国際的な研究のために利用できます。さらに、過去の研究、現代の解説、学会誌などを収蔵する図書館が真菌標本館コレクションに隣接しています。この図書館は真菌に関する文献を収蔵した、世界で最も完備された参考文献コレクションです。

標本館を訪問する

標本館は研究者が予約した上で利用することができます。通常、書面による申し込みが必要です。申込書は下記へお送りください。

The Keeper of the Herbarium
Royal Botanic Gardens, Kew
Richmond
Surrey TW9 3AE
UK

Email: herbarium@kew.org